- 学習法
慣用句とは?
小学生にもわかりやすい例を用いて解説

慣用句は、言葉をそのまま受け取ってしまうと意味が通じない表現なので、小学生がつまずきやすい単元のひとつです。しかし、慣用句にはおもしろい表現も多く、言葉に興味をもつきっかけになることも。この記事では、お子さまの学習の手助けになるように、さまざまな慣用句の例を用いて、わかりやすくご紹介します。
<目次>
慣用句とは?
慣用句は、二つ以上の言葉が一緒になって、もとの言葉とは違う、ある決まった意味を表す言葉です。例えば「昨日の口げんかは水に流して仲良くしよう。」という文の「水に流す」は、”前にあった争いやもめごとを、一切なかったことにする”という意味を表す慣用句です。このように、慣用句はもとの言葉と違う意味を表すため、小学生がつまずきやすいポイントの一つになっています。
慣用句とことわざの違い
慣用句と似た表現に、「ことわざ」があります。ことわざは昔から人々の間で言い伝えられてきた言葉で、生活の中で役立つ知恵や教えなどが短く表されています。例えば「窮鼠猫をかむ」は、「弱いものでも追いつめられると、強いものに立ち向かい、負かすことがある」という教訓を表しています。追いつめられたねずみは、猫にかみつくこともあるということからできたことわざです。
慣用句とことわざは、どちらも昔から使われてきた言葉ではありますが、ことわざには教訓が含まれているのに対し、慣用句には含まれないという違いがあります。どちらもお子さまの語彙力や表現力の育成に役立つ、大切な要素です。
<慣用句とことわざ>
慣用句:二つ以上の言葉が一緒になって、もとの言葉とは違う、ある決まった意味を表す言葉。
例)目を皿のようにする。
意味…目を大きく見開く。
ことわざ:昔から人々の間で言い伝えられてきた言葉で、生活の中で役立つ知恵や教えなどが短く表されている。
例)人のふり見て我がふり直せ。
意味…人の行いがよくないと思うときは、自分の行いはどうなのか反省してみるとよい。
小学生に慣用句を教えるときは、やさしい言葉で実際の例を用いて説明する
お子さまに慣用句やことわざを教えるときは、できるだけシンプルでやさしい言葉を使って、意味を理解させることが大切です。慣用句は数が多いため、ただ暗記させるのではなく、実際の会話や作文の中で使わせながら覚えるほうが定着しやすくなります。
慣用句とことわざには違いがありますが、どちらにも当てはまりそうで明確に線引きできない表現もあります。こうした表現を理解するには、実際の例文を通じて「どのような場面で、どのように使われているか」を体感させることが大切です。
慣用句は、お子さまの国語力を伸ばす大切な要素のひとつです。「進研ゼミ小学生講座」のタブレット教材「チャレンジタッチ」では、わかりやすい説明と豊富な例文で、慣用句やことわざなどの学習を全般的にサポートします。
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会話形式で慣用句を身につける
子どもが慣用句の意味を理解しやすくするには、実際の会話例や場面を使った練習が効果的です。ここでは、小学生Aさんと家族や友人とのやりとりの中で自然に使っている慣用句を「会話形式」で紹介します。
<慣用句の使用例>
- 「ねこのひたい」
- 「馬が合う」
- 「うり二つ」
- 「話に花が咲く」
- 「エンジンがかかる」
- 「バトンを渡す」
- 「頭をひねる」
「ねこのひたい」
「ねこのひたい」は、「とてもせまい場所のたとえ」として使われます。
<会話例>
Aさん:「この公園、あまり広くないからすぐ一周できちゃうね。」
お父さん:「ほんとだね。ねこのひたいほどの公園だなあ。」
「馬が合う」
「馬が合う」とは、人と人の「気が合う」ことを表します。馬と乗り手の動きがぴったり合っているところからきた慣用句です。
<会話例>
友だち:「新しく転校してきた子と、もう仲良くなったの?」
Aさん:「うん、なんだかすごく話しやすくて、馬が合うんだ。」
「うり二つ」
「うり二つ」は、「顔つきや見た目がとてもよく似ている様子」を表します。ひとつのうりを二つに割ったとき、それぞれがそっくりなことからきた慣用句です。
<会話例>
Aさん:「これ、Bくんの家族写真だよ。」
お母さん:「あら、Bくんとお父さんはうり二つね。」
「話に花が咲く」
「話に花が咲く」は、「次から次へといろいろな話が出る」という意味の慣用句です。
<会話例>
Aさん:「久しぶりに同じ保育園だった友だちと会ったんだ。」
お母さん:「それは楽しかったね。話に花が咲いたんじゃない?」
「エンジンがかかる」
「エンジンがかかる」は、乗り物のエンジンがかかるように、「調子がでる、やる気になる」という意味を表す慣用句です。
<会話例>
お父さん:「宿題の進みはどう?」
Aさん:「さっきおやつを食べて気分転換したら、エンジンがかかった。もうすぐ終わるよ。」
「バトンを渡す」
「バトンを渡す」は、「自分の仕事や役目を他の人に引き継ぐ」ことを表します。
<会話例>
先生:「Aさんは、この係の仕事は今日で最後ね。来月からはBさんにバトンを渡してね。」
Aさん:「はい、わかりました。」
「頭をひねる」
「頭をひねる」は、「よく考える。おかしいと思う。」という意味の慣用句です。
<会話例>
Aさん:「今度の学習発表会、どうすればいい発表になるかなあ。」
友だち:「みんなで、頭をひねってアイデアを出し合おうよ。」
小学生が覚えておきたい慣用句一覧表【例文付き】
ここでは、これまでに紹介しきれなかった慣用句のうち、小学校で学習するものや、日常でよく使われるものを一覧にして紹介します。慣用句の意味を確認したうえで、例文も参考にしながら、自分ならどのような場面で使うかをイメージさせてみましょう。
■覚えておきたい慣用句一覧
慣用句 | 意味 | 例文 |
---|---|---|
目を見張る | 驚きや感心で目を大きく見開く | 彼の成長ぶりには、先生も目を見張った。 |
心を躍らせる | 期待して、胸をわくわくさせる | 遠足が楽しみで、前の日から心を躍らせていた。 |
取り越し苦労 | 先のことまであれこれ考えて、余計な心配をすること | 雨を心配して傘を持ってきたが、取り越し苦労だった。 |
鼻が高い | 得意になる様子。自慢に思う様子 | 弟が絵で賞をとって、私まで鼻が高い。 |
三日坊主 | 始めても長続きせず、すぐやめること。また、そのような人 | 日記をつけ始めたが、三日坊主で終わった。 |
涙をのむ | つらいことや苦しいことをがまんする | ずっと楽しみにしていた遠足が雨で中止になり、涙をのんであきらめた。 |
竹を割ったよう | さっぱりとした性質のたとえ | 彼は竹を割ったような性格でみんなに好かれている。 |
世話を焼く | 進んで人の面倒を見る | 犬を飼うことになり、家族みんなで世話を焼いている。 |
実を結ぶ | 努力した結果、うまくいく | 努力が実を結び、全国大会への出場が決定した。 |
型にはまる | 決まりきったやり方で新しさがない | 型にはまった作文で、おもしろみがない。 |
心を込める | 一生懸命にする | 遠くに住む祖父に、心を込めて手紙を書いた。 |
慣用句を家庭で楽しく学ぶ工夫
慣用句は、まず意味を理解し、日常生活の中で耳にしたり声に出したりしながら、自然と覚えていくのがおすすめです。ここでは、生活の中で慣用句を楽しく身につける工夫を紹介します。
<慣用句を家庭で楽しく学ぶ工夫>
- 家族の会話に積極的に取り入れる
- クイズ形式で問題を出す
- 絵本やマンガを読んで慣用句にふれる
家族の会話に積極的に取り入れる
言葉は、実際に使ってこそ身につくものです。慣用句を家庭の会話の中で積極的に使うことで、お子さまは耳から自然に覚えていきます。例えば、お子さまが日々努力をして何か成果を出したときに「毎日コツコツ練習したことが実を結んだね!」とポジティブなコミュニケーションを取ることで、慣用句が記憶に残りやすくなるでしょう。また、お子さまが自分から慣用句を使えたときはしっかり褒めてあげることが大切です。
クイズ形式で問題を出す
慣用句をクイズ形式にして出題すると、ゲーム感覚で覚えられます。
<クイズ例>
「顔から火が出る」はどんな気持ちを表しているのでしょうか?
- 怒っている
- 恥ずかしがる
- 悩んでいる
<答え>
2
上記のように選択式にすれば、その慣用句を知らない場合でも挑戦しやすくなります。お風呂やおやつの時、移動時間などのちょっとした隙間時間にできるのも魅力です。
絵本やマンガを読んで慣用句にふれる
意味を覚えにくい慣用句は、絵やストーリーで見ると印象に残りやすくなります。慣用句が出てくる絵本や学習マンガを読むことで、お子さまは楽しみながら自然に言葉の使い方を身につけられるでしょう。
慣用句は日常でこそ身につく!家庭での学習サポートがカギ
慣用句は、言葉をそのまま受け取ってしまうと意味が通じないので、小学生がつまずきやすい単元のひとつです。しかし、意味がわかるようになると、日常会話の表現力や文章の読解力がぐっと豊かになります。慣用句を暗記だけで定着させるのは難しいものです。家族の会話に取り入れたり、クイズとして遊びながら覚えたりすることで、楽しみながら自然に身につけることができます。
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