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熟語とは?
熟語の構成の見分け方や家庭学習のコツを解説

小学校で習う漢字は1000字以上。それを組み合わせてできる熟語も数多く存在します。熟語になると読み方や意味がわかりづらい・難しいと感じ、苦手意識をもってしまうお子さまは少なくありません。しかし、それぞれの漢字の意味や、組み合わさった2つの漢字の関係を考えることで、熟語は理解しやすくなります。
この記事では、主な熟語の構成やその見分け方のほか、家庭学習のコツについて解説します。お子さまの国語学習をサポートしたいとお考えの保護者のかたは、ぜひ参考になさってください。
熟語とは?
熟語とは、2つ以上の漢字が組み合わさってできた言葉を指します。例えば「天気」や「学校」など、日常生活でよく使う言葉も熟語にあたります。漢字が組み合わさることで、新しい意味をもつ言葉になるのが熟語の特徴です。
熟語の漢字の組み合わせ方を、「熟語の構成」といいます。今回取り上げる二字熟語の構成には、いくつかの種類があります。それぞれ、熟語の例とあわせて理解しましょう。熟語の構成がわかると、意味をとらえやすくなります。
熟語の構成と見分け方
漢字2字の熟語には主に5つの構成があります。学校のテストでは、熟語の構成を答える問題や、同じ構成の熟語を選ぶ問題、空欄に漢字を入れて熟語を完成させる問題など、熟語の構成について正しく理解できているか確かめる問題が、さまざまな形式で出題されます。
中でも、熟語の構成を答える問題は、苦手意識をもつお子さまが少なくありません。熟語の構成を見分けるコツは、漢字それぞれの意味をとらえることです。ここでは、代表的な5つの構成について、具体例とともに解説します。
<熟語の主な構成>
- 似た意味の漢字を組み合わせた熟語
- 意味が対になる漢字を組み合わせた熟語
- 前の漢字が後の漢字を修飾する熟語
- 前の漢字が動作を、後の漢字がその対象を表す熟語
- 前の漢字が主語、後の漢字が述語になっている熟語
- その他の熟語の構成
似た意味の漢字を組み合わせた熟語
似た意味をもつ漢字2字で構成されている熟語です。2つの漢字が、同じような意味をもっているかどうかで見分けます。例えば「温暖(おんだん)」の場合、2つの漢字の訓読みは、どちらも「あたたかい」。2つの漢字が似た意味なので、「似た意味の漢字を組み合わせた熟語」になります。
<似た意味の漢字を組み合わせた熟語の例>
- 温暖(おんだん):温(あたた)かい+暖(あたた)かい
- 救助(きゅうじょ):救(すく)う+助(たす)ける
- 創造(そうぞう):創(つく)る+造(つく)る
- 岩石(がんせき):岩(いわ)+石(いし)
- 絵画(かいが):絵(え)+画(え)
意味が対になる漢字を組み合わせた熟語
例えば「上下(じょうげ)」のように、意味が対になる漢字2字で構成される熟語です。2つの漢字が、「上(うえ)」と「下(した)」のように、反対の意味になっているかどうかで見分けます。
<意味が対になる漢字を組み合わせた熟語の例>
- 上下(じょうげ):上(うえ)+下(した)
- 南北(なんぼく):南(みなみ)+北(きた)
- 増減(ぞうげん):増(ふ)える+減(へ)る
- 勝敗(しょうはい):勝(か)つ+敗(やぶ)れる
- 左右(さゆう):左(ひだり)+右(みぎ)
前の漢字が後の漢字を修飾する熟語
前の漢字が後の漢字を修飾する(くわしくする)構成の熟語です。例えば「新米(しんまい)」は、訓読みで読むと「新(あたら)しい米(こめ)」。前の漢字「新」が、後の漢字「米」をくわしくしているので、「前の漢字が後の漢字を修飾する熟語」になります。
<前の漢字が後の漢字を修飾する熟語の例>
- 新米(しんまい):新しい+米
- 清流(せいりゅう):清い+流れ
- 牛肉(ぎゅうにく):牛の+肉
- 青空(あおぞら):青い+空
- 海底(かいてい):海の+底
前の漢字が動作を、後の漢字がその対象を表す熟語
前の漢字が「動作や作用」を表し、後の漢字がその「対象や目的」を表す構成の熟語です。例えば「登山(とざん)」は、訓読みで読むと「山(やま)に登(のぼ)る」。前の漢字が「登る」という動作を、後の漢字が「山」という対象を表しています。この構成の熟語は、「山→登」のように、前後の漢字をひっくり返して、後ろの漢字に「~に」「~を」をつけて読むと意味がわかりやすくなります。
<前の漢字が動作を、後の漢字がその対象を表す熟語の例>
- 登山(とざん):山に登る
- 読書(どくしょ):書(=本)を読む
- 着席(ちゃくせき):席に着く
- 開店(かいてん):店を開ける
- 作文(さくぶん):文を作る
前の漢字が主語、後の漢字が述語になっている熟語
前の漢字が主語、後の漢字が述語という関係になっている熟語です。例えば「腹痛(ふくつう)」は、訓読みで読むと「腹(はら)が痛(いた)い」。前の漢字が「腹が」という主語、後の漢字が「痛い」という述語になっています。この構成の熟語は、前の漢字に「~が」をつけてみて、後の漢字が「どうする」「どんなだ」「何だ」を表しているかで見分けます。
<前の漢字が主語、後の漢字が述語になっている熟語の例>
- 腹痛(ふくつう):腹が痛い
- 円高(えんだか):円が高い
- 市営(しえい):市が営む
- 雷鳴(らいめい):雷が鳴る
- 船出(ふなで):船が出る
その他の熟語の構成
主な5つの構成に比べると出題頻度は高くありませんが、「前の漢字が後の漢字の意味を打ち消している熟語」もあります。例えば「不足(ふそく)」は、「不」をつけることで「足りない」という意味を表し、「未知(みち)」は「未」をつけることで「まだ知らない」という意味を表します。前の漢字に「非・否・無・未・不」などが使われ、後の漢字を打ち消しているかどうかで見分けます。
お子さまが熟語の構成について一通り理解できたようでしたら、実際の熟語を見て、どの構成にあてはまるかを考えさせるとよいでしょう。「進研ゼミ小学講座」のタブレット教材「チャレンジタッチ」なら、熟語の構成を見分けるさまざまな形式の問題に取り組め、熟語の学習のつまずきを解消できます。学習履歴から苦手な問題を自動でピックアップしてくれるため、効率良くくり返し学習できます。
熟語の家庭学習のポイントは?
二字熟語の構成には、代表的なものが5つあります。まずはその5つの構成がどのようなものか、熟語の例とあわせて理解しておきましょう。
お子さまが熟語に苦手意識を感じているなら、まずは基礎となる漢字の読み書きや、漢字の意味の理解など、土台となる基礎知識の学習をサポートします。例えば「牛乳」や「夕飯」など、家の中にある身近な熟語を例にあげて、意味や構成についてお子さまと話し合ってみましょう。自分がふだん使っている言葉を見直し、理解を深めていくことが、苦手意識の解消に結びつきます。
熟語の構成がわかれば熟語への理解がぐっと深まる
小学校で習う漢字は1000字以上あり、組み合わせによってできる熟語の数もとても多くなります。テストでは初めて見る熟語が出てくることも少なくありません。しかし、それぞれの漢字の意味や、熟語の構成について理解することで、熟語の意味が推測できるようになります。身近な熟語を例に、意味や構成を考えさせることで、より理解を深めていけるように促してあげましょう。
「進研ゼミ小学講座」のタブレット教材「チャレンジタッチ」なら、熟語の構成を見分けるさまざまな問題でくり返し学習することで、理解を深めることができます。まちがえた直後に解き直しができるため、苦手をそのままにせずきちんと解消できるのが特長です。短い時間でも集中して取り組める設計で、お子さまが毎日コツコツ続けやすい工夫がたくさん詰まっています。
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