- 学習法
倍数とは?
約数との違いと活用例を解説

小学5年生の算数では「倍数」や「約数」という数の集まりについて学びます。それぞれ意味や使い方が異なりますが、似たような用語が多く出てくるため、つまずきやすいポイントのひとつです。
この記事では、倍数と約数の定義や違い、公倍数・公約数の考え方、さらに日常生活での活用例について解説します。
<目次>
倍数とはある整数を整数倍してできる数のこと
倍数とは、ある整数を整数倍してできる数のことです。例えば「2の倍数」は2、4、6、8、…です。これは、2という数に2×1、2×2、2×3、2×4、…と、整数を順番にかけた結果として現れる数で、限りなくあります。「3の倍数」なら、3×1、3×2、3×3、3×4、…という計算になるため、3、6、9、12、…の結果になります。
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約数とはある整数をわりきることのできる整数のこと
約数とは、ある整数をわりきることができる整数のことです。例えば「12の約数」は、12をわりきることのできる整数として、1、2、3、4、6、12の6つが挙げられ、このほかにはありません。このように、特定の数をわりきることができるかどうかを確かめながら、すべての約数を見つけていくことができます。
公倍数と公約数はどんな数?
小学校では倍数や約数といっしょに、「公倍数」や「公約数」も習うことになります。どちらも2つ以上の数に共通な性質をもった数ですが、意味や求め方には違いがあります。ここでは、それぞれの考え方について見ていきましょう。
公倍数と最小公倍数
公倍数とは、2つ以上の整数に共通な倍数のことです。例えば、3の倍数にも4の倍数にもなっている数を3と4の公倍数といいます。3の倍数は3、6、9、12、15、…と続き、4の倍数は4、8、12、16、20、…と続きます。2つの数字の倍数を並べて見ていくと、3と4に共通して現れる倍数は12、24、36、…です。この共通な倍数のことを、公倍数といいます。
■3と4の公倍数・最小公倍数

また、公倍数の中で一番小さい数を最小公倍数といいます。3と4の場合は12が最小公倍数です。
小学校の勉強では、倍数と約数の言葉に迷うこともあるかもしれませんが、倍数はどこまでも続いていく数で、最大という概念がありません。そのため、倍数や約数の問題で「一番小さい」「できるだけ小さい」のような語句が出てきたら、最小公倍数を求める問題だと推測できるでしょう。
公約数と最大公約数
公約数とは、2つ以上の整数をわりきることのできる共通な約数のことです。例えば、12と16の場合、12の約数にも16の約数にもなっている数を、12と16の公約数といいます。12の約数は1、2、3、4、6、12で、16の約数は1、2、4、8、16です。2つの約数を並べてみると、どちらの数もわりきることのできる共通の約数は1、2、4であることがわかり、これらが12と16の公約数となります。
■12と16の公約数・最大公約数

また、公約数の中で一番大きい数を最大公約数といいます。12と16の場合は4が最大公約数です。
約数は倍数と異なり、ある整数をわりきることのできる整数を指すので、数に限りがあります。そのため、小学校で出てくる倍数や約数の問題文に「一番大きい」「できるだけ大きい」などの語句があれば、最大公約数を求める問題だと考えることができるでしょう。
勉強だけでなく生活の中で役立つ倍数と約数
倍数や約数の考え方は、学校の勉強はもちろんのこと、日常生活でも役立ちます。ここでは、倍数を使う場面と、約数を使う場面の例をそれぞれ見ていきましょう。
倍数を使う例
まずは、日常で倍数を使う例を考えます。例えば、パンにコロッケを挟んでコロッケパンを作る予定で、お店で買い物をするとしましょう。お店では、1袋3個入りのパンと、1袋4個入りのコロッケを売っています。パンとコロッケどちらかが余ってしまわないように、ぴったりの数でコロッケパンを作るには、少なくともそれぞれ何袋ずつ買えばよいでしょうか。
ここでは倍数の考え方を使います。今回は1袋3個入りのパンと、1袋4個入りのコロッケのため、3と4の公倍数を考えます。以下は、それぞれの倍数を並べた表です。
■3の倍数と4の倍数
3の倍数(パンの数) | 3、6、9、12、15、18、21、24、… |
---|---|
4の倍数(コロッケの数) | 4、8、12、16、20、24、… |
3と4の倍数から、2つの数の公倍数を考えます。パンとコロッケの数が等しくなるのは、最初は12だということがわかります。
つまり、コロッケパンの個数は12個とわかり、パンの袋は4袋(12÷3)、コロッケの袋は3袋(12÷4)が必要です。
約数を使う例
次に、日常で約数を使う例を考えてみましょう。例えば、16個のクッキーが手元にあり、同じ数ずつ余りなく分けたいとします。この場合、まず何人で分ければクッキーが余らないかを考える必要があります。
ここで出てくるのが、16をわりきることのできる数、つまり16の約数です。16の約数は、1、2、4、8、16になります。2人で分ければ1人8個ずつ配ることができ、4人で分ければ1人4個ずつ、8人で分ければ1人2個ずつ、16人で分ければ1人1個ずつとなり、どの場合もクッキーは余りなく分けることができます。
このように、日常のちょっとした場面でも、倍数や約数の考え方が役立つことがあります。小学校で習う算数が、ただの計算問題というだけでなく、自分の身近な生活にもつながっていることがわかれば、子どもたちもより楽しく、興味をもって学ぶことができるかもしれません。
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倍数や約数は、言葉の意味や求め方で少し迷う内容ではありますが、身近な例や図を使って考えることで、より理解しやすくなります。特に小学校の算数は、学年が進むにつれて内容が複雑になるため、苦手な部分をそのままにして次に進むのではなく、その都度しっかりと理解を積み重ねていくことが大切です。
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例えば算数は、図やアニメーションを使った説明で、倍数や約数の考え方も目で見て理解できます。また、計算をゲーム感覚で楽しく学べる教材も充実しているため、自分でどんどん進めることができます。
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