- 学習法
中学受験の勉強法を科目別・学年別に解説!
家庭学習のコツも紹介

中学受験を見据えて動き出したものの、今の勉強方法でいいのかと不安を感じる保護者のかたは少なくありません。「教科ごとにどう勉強したらいい?」「何年生から本格的に始めればいい?」と迷うことも多いのではないでしょうか。
この記事では、中学受験に向けた勉強法を、科目別・学年別に詳しく解説します。併せて、保護者のかたの関わり方のポイントも紹介しますので、ご家庭での学習にぜひお役立てください。
【科目別】中学受験(受検)の勉強法
中学受験では、私立校と公立校で試験の内容に大きな違いがあります。私立校では一般的に、国語・算数・理科・社会の学力試験です。小学校の学習範囲を超える高度な問題や、各校の特色を反映した出題が多く見られます。一方、公立中高一貫校の受検では、一般的に教科ごとの学力試験は行われず、試験科目は、小学校で学んだ知識や日常生活での経験をもとに考えさせる「適性検査」「作文」です。
出題形式や範囲には違いがあるものの、近年は私立校・公立校ともに、知識をどれだけ持っているかではなく、それをどのように活用できるかを重視する傾向が高まっています。
中学受験(受検)の勉強法のポイントを科目別に見ていきましょう。
公立中高一貫校は適性検査が選抜材料となるので「受検」と表記しています。
<【科目別】中学受験(受検)の勉強法>
- 算数の勉強法
- 国語の勉強法
- 理科の勉強法
- 社会の勉強法
- 作文の勉強法
- 適性検査の勉強法
【中学受験】算数の勉強法
中学受験の算数には、旅人算やニュートン算など、小学校では学ばない特殊算も含まれます。問題を解く力を磨くには、いろいろな出題パターンに慣れておくことが必要です。しかし出題側は、見たことのない問題に対して、知識を活用して答えを導く力を重視しています。多くの問題に手を出す前に、単元ごとの基本となる問題をしっかり理解して、「知識の使い方」を身につけることが大切です。
また、算数に苦手意識があるお子さまの場合は、まず正答率50%以上の基本レベルの問題に絞って対策するのがおすすめです。中位校の多くでは、このレベルの問題をしっかり解ければ、合格点に届きます。反対に、正答率49%以下の問題は「間違えてもいい」と割り切りましょう。取り組む問題を絞って練習することで、解ける問題が着実に増え、お子さまの自信とやる気につながっていきます。
<保護者の関わり方>
月例テストなどで正答率50%以上の問題を間違えていた場合は、その問題をピックアップして、解き直しに取り組めるよう促します。正答率の高い問題に絞ることで、お子さまの負担を減らしながら効果的な復習ができます。解ける問題が増えてくると、自然とやる気も高まるものです。取り組みに対してしっかりほめることで、自信を持てるようにサポートしていきましょう。
【中学受験】国語の勉強法
中学受験の国語で配点の大部分を占める文章問題では、筆者の主張や登場人物の心情を論理的に読み解く力が求められます。そのためには、文章の構造を意識しながら読むトレーニングが効果的です。説明文であれば、「主張→具体例→まとめ」といった構成がよく見られます。こうした文章構造のパターンを理解し、読み解く経験を積んでおくことで、読解力の土台が身についていきます。
読解問題が苦手なお子さまには、入試レベルの5,000字程度の文章を使い、時間を意識して読む練習がおすすめです。文章を理解しながら「1分間に400字以上」を目標にし、徐々に読むスピードを上げていきましょう。志望校で7,000字前後の長文が出題される場合は、受験までに「1分間に600~800字」の速さで読めるようになると有利です。
また、入試での出題は物語文と論説文が2対1程度の割合になるため、物語文を2つ読んだら論説文を1つ読むペースでバランスよく練習すると効果的です。
<保護者の関わり方>
お子さまといっしょに文章を読みながら、登場人物や筆者の気持ち・考えについて話し合うことも効果的です。その際、「どの部分を読んでそう思ったのか」という根拠を明確にすることで、感覚に頼らず論理的に読み解く力が養われます。
【中学受験】理科の勉強法
中学受験の理科では、小学校の授業と比べて、より細かい知識が求められます。例えば、小学校では「昆虫の体は頭部・胸部・腹部からなる」という理解で十分ですが、中学受験では羽の形状や脚の生え方についても、人に説明できるレベルの知識が必要になります。
また、実験結果のグラフからデータを読み取り、整理して結論を導くといった、思考力を試す問題も出題されます。特に難関校では、思考力と計算力を求められる傾向があります。
<保護者の関わり方>
学んだ知識を実際に体験することで、理解が深まり、知識の定着にもつながります。例えば、昆虫を実際に観察したり、影の動きを見て「昼は短く、夕方は長くなる」ことを自分の目で確かめたりするのは効果的です。特に理科では、こうした体験を通して、学びが実感を伴うものになります。
【中学受験】社会の勉強法
中学受験の社会では、扱う単元自体は小学校の学習範囲ですが、求められる知識の広さと深さは中学校の教科書レベルにまでおよびます。問題の傾向としては、複数の知識を組み合わせて考える力が求められます。
例えば小学校のテストでは、リンゴの収穫量が多い地域名を覚えていれば解けた問題が、中学受験で見られる問題では「ほかに収穫量の多い地域はどこか」「それらに共通する気候の特徴は何か」まで答えなければなりません。覚える範囲が広いため、1つの知識に関連する情報をつなげて覚えることで、より定着しやすくなります。
<保護者の関わり方>
身のまわりの「なぜ?」を大切にし、疑問を追求する習慣を育てることが、社会の学習にもつながります。例えば、「地理的に離れた地域で同じ作物がよく採れるのはなぜだろう?」といった疑問を持ったときに、すぐに調べる習慣をつけるようにします。保護者のかたは調べ学習のツールとして図鑑などを用意したり、図書館に連れていったりして、疑問の調べ方がわかる環境を整えましょう。
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中学受験に向けて、お子さまのやる気を引き出せる「進研ゼミ小学講座」の入会を検討してみてはいかがでしょうか。
【中学受検】作文の勉強法
公立中高一貫校の受検で試験科目となる「作文」の出題傾向は地域によって異なりますが、一般的に多く見られるのは次のような形式です。
<作文の出題形式例>
- 1200~2000字程度の長文を読む
- 内容の要旨を問う問題が出される
- 要旨を踏まえ、自分の考えや体験を交えて400字程度の作文を書く
試験科目に作文がない場合もありますが、「適性検査」では文章を読んで考えを記述させる問題が多く出題されるので、公立中高一貫校の受検においては、自分の考えを交えて作文する力が必要です。
<保護者の関わり方>
上手な作文を書くには、何度か読み返して推敲することが大切です。自分の文章を客観的に見直す力をつけるために、親子でいっしょに読み返し、よく書けている部分はほめ、わかりづらいところは「ここはどういう意味?」と問いかけてみましょう。また、お手本となる作文をいっしょに読むのも効果的です。どこがわかりやすかったか、どこに心が動かされたかなどを親子で話し合うことで、表現力の向上につながります。
【中学受検】適性検査の勉強法
公立中高一貫校の受検で試験科目となる「適性検査」の出題範囲は、小学校の学習内容に限られますが、教科を横断する形式が多く、知識を活用して論理的に考える力が必要です。具体的には、下記のような総合的な力が重視されます。
<適性検査で求められる力>
- 複数の資料を素早く正確に読み取る力
- 自分の考えを文章でわかりやすく表現する力
- 日常生活や自分の体験と結びつけて考察する力
- 教科の枠を超えて知識を組み合わせ、論理的に思考する力
<保護者の関わり方>
お子さまの考える力を育てるには、日常の会話で疑問を深める工夫が大切です。例えばニュースを見たあとに、「どう思う?」「どこがいいと思ったの?」などと問いかけ、考えを掘り下げてみましょう。そうした対話を重ねることで、自分で考え、必要に応じて調べる力も育っていきます。保護者のかたは「考える習慣」が身につく環境づくりを意識してみてください。
【学年別】中学受験の勉強法
受験勉強をスタートする時期は人それぞれですが、私立校を受験する場合は一般的に、小学3年生の冬から中学受験について家庭で検討をして、4年生から本格的な受験準備を始める家庭が多いようです。ここでは、中学受験の勉強法について学年別に解説します。
<【学年別】中学受験の勉強法>
- 4年生の勉強法
- 5年生の勉強法
- 6年生の勉強法
【中学受験】4年生の勉強法
4年生の受験勉強では、まだ成績にこだわりすぎず、無理のないペースで進めることが大切です。4年生の時期は学習内容も比較的やさしく、範囲も広くないため、まずは一通り復習を終わらせましょう。復習が終わったら、お子さまの興味のある分野を親子で深掘りしてみるのもおすすめです。例えば算数が好きならいっしょに数や図形のパズルに取り組んだり、理科が好きなら簡単な化学実験に挑戦したりすると、楽しみながら学ぶ意欲が高まります。この時期はまだ学習に余裕があるため、遊び感覚で学びにふれ、自信や興味を育てる機会を増やしてみてください。
【中学受験】5年生の勉強法
5年生になると、中学受験に向けた学習時間が増え、小学校の授業とのレベルの差を感じやすくなります。そのため、「勉強が難しい」と感じやすい時期でもあります。そのようなときは、学校見学に参加して志望校への意識を高めるなど、やる気を引き出す工夫も効果的です。5年生の冬には、具体的な志望校を絞っていきます。
冬休みには、これまでの学習を振り返り、苦手な単元を把握しておくことが大切です。テストや模試の正答率を確認し、正答率50%以上の問題で間違えている部分があれば、そこが克服すべきポイントです。苦手分野の補強に取り組みましょう。
4年生まではしっかり遊ぶ時間を確保していい時期ですが、5年生からは徐々に学習ペースを整えることが必要です。年末年始や連休中には、まったく勉強しない日が続かないように注意して、1日遊んだら次の日には勉強時間を確保するなど、ペースを崩さないようにします。
【中学受験】6年生の勉強法
6年生の春から夏休みにかけては、「受験対策の天王山」ともいわれる重要な時期です。夏休みまでの期間は、5年生までに学んだ内容を復習し、得意科目をさらに伸ばしつつ、苦手科目を丁寧に克服していきます。月例テストなどで、正答率50%以上の問題を間違えている箇所は苦手分野と考えられるため、保護者のかたが確認して復習を促すと効果的です。
夏休みに入ったら、これまでの学習内容の中でも特に難しく感じる単元を重点的に補強します。例えば、算数の「割合」や「比」などは、多くの子どもがつまずきやすい単元です。正答率の高い問題は確実に解けるようにし、自信につなげていきます。夏休みが明けたら、模試や過去問に挑戦して目標とのギャップを埋める学習を進めます。
6年生は、精神的にも大きく成長する時期です。「去年できなかったことができるようになったね」など、具体的に成長している点を伝えて、少しずつ大人扱いをしていくと、お子さま自身も成長を実感してやる気が高まります。
とはいえ、まだ小学生なので、やる気が出ない日もあるのが自然です。そのようなときは「勉強しなさい」ではなく、好きなおやつを用意して「いっしょにやろうね」と声をかけるなど、前向きな気持ちに切り替えてあげましょう。
中学受験の勉強を始めるなら「進研ゼミ小学講座」がおすすめ
中学受験に向けた勉強では、無理のないペースで基礎をしっかり固めていくことが何より大切です。早いうちから土台を築いておくことで、高学年になっても焦ることなく、応用問題にも自信を持って取り組めるようになります。日々の積み重ねが、受験期の大きな力となるでしょう。
そして、その学びを支える上で欠かせないのが、ご家庭でのサポートです。おうちのかたの関わり方次第で、お子さまの中学受験への意欲は大きく高まります。お子さまの気持ちに寄り添いながら、前向きに勉強に取り組めるよう、温かく見守り、励ましてあげてください。
お子さまの受験勉強をどのようにサポートしたらいいか迷うときは、学習意欲を引き出す工夫が満載の「進研ゼミ小学講座」がおすすめです。有料オプション講座として、4~6年生向けの「考える力・プラス 中学受験講座」もあります。短時間で無理なく継続できる「進研ゼミ小学講座」で、中学受験の勉強を始めてみてはいかがでしょうか。
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