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中学受験とは?受験の専門家がメリット・デメリットまで解説するパーフェクトガイド 2025年度最新版

中学受験とは?
中学受験とは?
専門家が解説するパーフェクトガイド

中学受験(中学受検)とは、「私立(国立)中学校」と「公立中高一貫校」に入学するための試験を受けることです。
お子さまの進路の選択肢として興味をもっているかたも多いのではないでしょうか。このサイトでは、中学受験を通じて進路選択を考えるための情報を受験の専門家が解説しています。

森上教育研究所 森上展安先生

この記事の監修

森上教育研究所 森上展安先生

私立中高の実態に詳しく、私学教育研究の第一人者。
新聞・雑誌等への寄稿も多い。

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4年生以降のお子さま向け「考える力・プラス 中学受験講座」

目次

中学受験 する? しない?

想像以上のスピードで過ぎていく小学校生活。卒業後の進路にふと思いをはせるかたも多いと思います。まずは中学受験をするかしないかという視点から、お子さまの進路を考えてみましょう。

中学受験をするメリット

目標をもって勉強することは、学力の向上だけでなく、心の成長にも大きな影響を与えます。小学生という早い段階でこのチャンスを得ることで、お子さまの可能性はさらに広がります。

中学受験をするメリットは大きく3つあります。

中学受験をするメリット

  • 早めに進路について考えられる
  • 高度な学びにふれられる
  • 6年間、継続して物事に取り組める

早めに進路について考えられる

小学生の段階で家族で進路について話し合うことは、お子さまにとっても貴重な経験です。自分の将来やその可能性について考える機会を得ることで、自分がしたいことや、目標を達成するためにしておくべきことへの意識が芽生えます。

高度な学びにふれられる

10歳から12歳は脳の発達が著しく、技術や技能の習得に最も適していると言われています。この時期に中学受験で求められるハイレベルな問題に取り組むことで、子供たちは高度な読解力や思考力、そして発想力を身につけることができます。

6年間、継続して物事に取り組める

中高一貫校では中学3年生の時点で高校の受験勉強のために時間を費やす必要がありません。例えば部活動や自分の好きなことも、途中でやめることなく継続して取り組むことができます。

中学受験をしないメリット

時間に縛られず、この時期にしかできない遊びや貴重な体験、友達とのふれ合いをしっかり楽しむことができます。好奇心と感受性が豊かな時期のさまざまな経験が、将来の可能性を伸ばすことにもつながります。

中学受験をしないメリットは以下です。

中学受験をしないメリット

  • お子さまのやりたいことに時間を使える
  • お金の負担が少ない
  • 小学校の友達と地元の学校に通える

お子さまのやりたいことに時間を使える

小学生の時は比較的、自分のやりたいことに思う存分取り組む時間があります。好きなことだからこそ自分で考え、行動する力がつくことも。スポーツの大会や習い事の発表会など、自分の好きなことで成功体験を得るチャンスにもなります。

お金の負担が少ない

中学受験対策費と私立中学校に通う学費を合わせると、かなりの費用がかかります。公立中学校はもちろん授業料は無料。受験でかかる分の費用を、お子さまの好奇心に合わせたその他の勉強や習い事に使うことができます。

小学校の友達と地元の学校に通える

小学校6年間を一緒に過ごした友達と引き続き3年間同じ学校に通い、思春期の大切な時期に仲間との関わりを深めることができます。自分が住む土地を中心とした交友関係が自然と広がり、地元への愛着もわきます。

お子さまにその学校が本当にあっているかを見極めることが重要

それぞれの学校の教育目標や理念を理解しよう

教育姿勢や環境に独自性が光るのが6年制の中高一貫校です。3年制の公立中学校を含めた各学校の情報を集めたうえで、お子さまにどういう環境で何をさせたいか、入学後にどう成長してほしいのかをじっくり考えることが大切です。偏差値だけを尺度にせず、どんな中高生活を送ってほしいのかを考えましょう。

将来に影響する人格形成の重要な時期をどう過ごすか

思春期を迎える中学生は人格形成の重要な時期。この時期に触れる価値観、思想、知識は、将来の考え方の基盤となります。家族でお子さまの未来について話し合い、その結果中学受験をすると決めたのなら、ぜひその道を進みましょう。たとえつまずくことや苦労することがあっても、家族で共に取り組む経験には価値があります。

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中学受験が必須の中高一貫校ってどんな学校?

中学受験を本気で考えたいと思ったら、中高一貫校について知りましょう。学校のあり方も入試方法も千差万別です。ここでは最低限知っておいてほしい内容をご紹介します。

私立と公立、どう違うの?

私立中学校と公立中高一貫校にはどちらにも魅力と特長があります。また男子校・女子校・共学校でも学校の様子が大きく変わります。

私立は教育方針・校風がバラエティに富んでいる!

校風や教育方針がさまざまな私立校は、通学圏を気にせず理想の学校を選べるのがメリット。
ただしバラエティに富むため、学校見学をして特長をつかみましょう。中学受験を考える保護者のかたに志望校を決めた理由を伺ったところ※1、以下の結果に。

  • 1位 教育方針・校風
  • 2位 (子供の)自主性・主体性の育成
  • 3位 (子供の)学力に合っている

学力レベルや進学率といった学習面だけにこだわらず、お子さまに合う学校を選びましょう。

1 ベネッセ教育総合研究所「中学受験に関する調査」(2012年)より(「中学受験させる」と回答した保護者の回答)

公立は自宅の近くで6年一貫の学校生活が送れる!

1999年から公立中高一貫校の設置がスタートし、現在も3年制から6年一貫への転換が各地で続々と進んでいます。
充実したカリキュラムの中でさまざまなユニークな取り組みが行われ、大学進学実績も上がっているのは私立校と変わりませんが、公立独自の受検方法があったり、中学生の学費は無料であったり、地元に学校があったりと、公立ならではの特長があります。

男子校?女子校?それとも共学校?

男子校や女子校のメリットは、異性問題が起きにくいことと、男女の特性に応じた教育ができることです。ただし学校生活では異性とのかかわり方が学べないデメリットも。
共学校のメリットは男女それぞれの価値観を学べることですが、異性間のトラブルが起こる可能性も。学校によっては、授業のクラスを男女別にして集中力を高め、特性に合わせた指導方法をしている場合もあります。

学費

保護者のかたもお子さまも、あこがれの学校を目指してやる気は十分!
という場合でも、やはりお金のことは切り離せない不安ごと。中学3年間で必要となる大体の金額を算出して、先々の費用計画を立てておく必要があるでしょう。

公立校は公立3年制と同程度。私立校は授業料以外の諸費用も

私立公立702万円:301万円(6年間)※1
私立は授業料以外に入学金・学校納付金・行事費用・図書・学用品・実習材料費・通学関係費がかかります。公立中学校は義務教育なので小学校と同じように学費は0円。高校から3年制の公立高校と同じ学費になります。

文部科学省「令和3年度 子供の学習費調査」の「学習費総額」の値(学校教育費のほかに、給食費、学校外活動費が含まれます)。金額は全国平均です。

入学者選抜

入学者選抜は私立と公立で内容が大きく異なります。まずは概要をご説明します。

私立校は「学力試験」、公立校は「適性検査

私立校は国語・算数・理科・社会の学力試験があり、小学校の学習範囲を超える問題が多く、学校ごとに特徴のある問題が出されます。

公立校は教科別の学力試験は認められておらず、教科の枠組みを超えて小学校で学習したことや生活の中で学んだことを使って答える「適性検査」+「作文」(学校による)を出題します。

なお、関西では3教科受験がメインで、2教科入試や1教科入試があることも。地域によって特徴があるので傾向をつかむようにしましょう。

出題範囲は私立校が広いが、問われる能力の根本は共通

社会で求められる能力の変化に合わせて、私立・公立ともに中学受験の試験では、知識量を問うものから知識を活用できるかを問う傾向に変わっています。
公立中高一貫校は、思考力・判断力・表現力・想像力・読解力を中心に問われますが、私立中高一貫校では知識の量も相当に問われていることに注意しましょう。

私立と公立の出題傾向の違い
実際に問題をお試しいただけます!

私立・公立ともにまずは問題の傾向を知ることが大切。「考える力・プラス 中学受験講座」では実際の入試問題をもとにした良問を厳選してテキストに掲載。無料の資料請求でテキストをお試しいただけます。

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「私立」中学受験の選抜内容

私立中学の場合、問題レベルは小学校で習う範囲を逸脱していることが多く、学校ごとに傾向が大きく異なります。小学校で求められる力と比較してそのレベル感を確認しましょう。

中学受験の国語

小学校の授業では、文章の内容への問いにその子なりの答えを言えればよいのですが、中学受験の長文読解では、筆者や登場人物の主張や心情を文脈から論理的に解釈して答えを導く「読解力」が必要です。
何が問われているかを正しくとらえることが基本ですから、主張の次に具体例が来てその後にまとめ部分がある…といった文章のパターンを経験値として多く理解できるような読書をすることが大切になります。

例えば、こんな問題が

中学受験の国語

中学受験の算数

試験問題の範囲には、旅人算、ニュートン算や仕事算と言われる特殊算など、小学校ではあまり学習しない内容も含まれます。
問題を解く力を磨くには、いろいろな出題パターンに慣れておく必要がありますが、出題側が試したいのは、見たことがないパターンの問題に直面したときに知識の引き出しをどううまく活用して解答を導けるか。むやみにたくさんの種類の問題に手を出すのではなく、良問を通じて「知識の活用力を身に着けること」が重要なポイントとなります。

例えば、こんな問題が

中学受験の算数

中学受験の理科

小学校と学習単元が被っているようで実は大きく異なるのが、求められる知識の細かさです。
小学校では昆虫の体が頭部と胸部と腹部で成り立っているという理解で良いのに、中学受験では羽の形状から足の生え方まで、人に説明できるレベルの詳しい理解が必要です。実験結果のグラフの内容を整理して、そこから結論に至るプロセスを自分の手で導けるか思考力を試される問題もあります。難関校ほど思考力と計算力を問う部分は大きくなります。

例えば、こんな問題が

中学受験の理科

中学受験の社会

単元自体は小学校の学習範囲でも、求められる知識の広さ・深さは、一部の単元を除いて中学校の教科書の内容をほぼ網羅するレベルです。
例えば小学校では、ある地域では米の収穫量が多い、という知識を覚える程度ですが、中学受験では、米の収穫量が多いのは他にどんな地域があって、それらの地域に共通する気候の特徴は何かというところまで求められます。複数の知識を組み合わせて解く力が必要です。

例えば、こんな問題が

中学受験の社会
「公立」中学受検の選抜内容

公立中高一貫校の入学者選抜は筆記以外の「作文・報告書・面接」が合否判定に占める割合が少なくありません。どんなものかを紹介します。

  • 公立中高一貫校は適性検査が選抜材料となるので「受検」としています。

中学受検の適性検査

出題範囲は小学校の学習内容に限られますが、教科を横断した問題が特徴で、学習した知識を活用し論理的に考える力が必要です。具体的には、「複数の資料を速く、的確に読みこなす力」「自分の考えを文章でわかりやすく表現する力」「日常生活で学んだことや自分の体験と結びつけて考察する力」「教科の枠を超え、知識を活用し、論理的に考える力」が求められます。

例えば、こんな問題が

中学受検の適性検査

中学受検の作文

作文の出題傾向は地域によって異なりますが、以下のようなスタイルの問題が多く出題されます。

  • ①1200~2000字程度の長文を読む
  • ②文章の要旨を問う問題が出される
  • ③要旨をおさえたうえで自分の考えや体験を交えて400字程度で書く

入学者選抜の項目で作文が課されていなくても、適性検査では文や文章を記述させる問題が多いので、自分の考えを表現する力は必須と言えます。

中学受検の報告書

報告書は小学校の成績表のこと。小学校5,6年生の2年間の成績を記録するのが一般的です。それぞれの教科の学習状況について評価している「各教科の学習の記録」という項目と、生活態度などを見る「行動の記録」があり、どちらも大切です。
総合成績に報告書が3割を占める学校があるなど、おろそかにはできません。小学校での日々の学習や活動を大切にしていくことが報告書の対策になると言えます。

中学受検の面接

面接の形式は学校によってさまざま。個人面接、集団面接の他、グループディスカッションなどを行う学校もあります。あらかじめ志望する学校の面接の形式を調べ、予想される質問などを想定し、ご家庭で練習するなど対策をしておくとよいでしょう。質問の内容はさまざまですが、志望動機や将来の夢などを聞かれることが多いようです。

中学受験スケジュール

受験準備のスタート時期は人それぞれですが、ここでは合格までの一般的なスケジュールを紹介します。

私立校は「3年生の冬」からスタート

私立受験の場合、3年生の冬から中学受験について家庭で検討したり学習法を検討して、4年生から本格的に受験準備に入る家庭が一般的です。

  • 3年生の冬:ご家庭で中学受験について話をする。
  • 4年生の春~冬:合同説明会などで私立中学校について知る。
  • 5年生の春~秋:学校見学で、私立中学校の校風や雰囲気を実感する。
  • 5年生の冬:学力やタイプに合った志望校を選ぶ。
  • 6年生の春~夏:受験対策の天王山。
  • 6年生の秋:志望校の過去問対策。
  • 6年生の冬:受験の出願準備を始める。
  • 志望校合格へ!

公立校は「5年生の春」からスタート

5年生の春から受検までにクリアすることはたくさんあります。一般的なスケジュールを把握して、お子さまの今後の見通しを立ててみましょう。

  • 5年生の春~夏:適性検査を知り、2年間の見通しを立てる。
  • 5年生の秋~冬:受検に向けてやる気を高め、適性検査に必要な力をつける。
  • 6年生の春~夏:受検に向けたラスト1年間で、応用問題に対応できる力を。
  • 6年生の秋:本番に強くなる実戦力をつけ、合格への総仕上げをする。
  • 6年生の冬:本番に実力を発揮するため、おさえておきたい最終確認をする。
  • 志望校合格へ!
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中学受験にまつわる「数字」

中学受験を考える保護者のかたが、必ず見る数字が3つあります。「偏差値」「入試倍率」「大学合格実績」です。それぞれどんな意味があるのかを説明します。

中学受験の偏差値とは

高校・大学受験でもおなじみの偏差値ですが、中学受験の場合は見方が少し変わります。例えば高校入試で偏差値40だとレベルが低い印象ですが、中学受験では小学生全体からみると上位になる場合もあります。
それは母集団の違いが原因。中学受験をする人だけが集まる中学受験用の模試では、成績の高い子ばかりが集まるので、得点の平均値も高くなります。だからおのずと偏差値が低く出るのです。模試を受けるときに注意したいポイントです。

入試倍率

令和6(2024)年に首都圏で発表された主な学校の入試倍率(出願者数/合格者数)を一部ご紹介します。特に国公立の倍率が高めで人気があることがわかります。

  • 開成2.9倍、麻布2.3倍、武蔵3.0倍、桜陰2.0倍、渋谷教育学園幕張(一次)3.0倍、渋谷教育学園渋谷(第1回)3.8倍、筑波大付属駒場(国立)5.1倍、小石川中教(公立)4.3倍、横浜サイエンスフロンティア(公立)5.6倍、千葉県立東葛飾中学校・高等学校(公立)9.5倍
  • 編集室調べ
  • 公立中高一貫校は入試倍率を志願者数/募集定員で計算しています。

大学合格実績

中高一貫校は、難関大学への進学率が高い傾向にあります。難関大学の合格者数は中学受験の偏差値や入試倍率に大きな影響を及ぼします。特に最近では、難関大学の附属になった中高一貫校や難関大学への推薦枠が増加した中高一貫校の入試倍率が上昇傾向です。
また近年は海外の有名大学に進学する生徒も増えています。大学でどんな学問をどんな環境で学べるかをイメージしながら、各校の大学合格実績を見ると、中高一貫校生活へのイメージもより膨らみます。

新常識!?「考える力」が中学受験で求められる時代へ

大学入試が変化しているというニュースをお聞きになったかたもいるかと思います。日本では知識中心に問われる入試から「考える」入試へと大きく方向転換をしている最中です。中学受験もその流れにありますが、真っ先に大きな改革をしている大学入試でその変化を体感しましょう。

大学入試が知識一辺倒では勝ち抜けなくなった

2025年1月から、国公立大学を受験するには必須で私立大学でも受験に使うことができる「大学入学共通テスト」の受験内容が大きく変更されます。特に文系受験者の変化が大きいのが特徴です。ポイントは2つあります。

文系でも「数学C」と「情報Ⅰ」の受験が必須に

文系受験といえば、暗記力がものを言った時代は終わり、いわゆる理系の素養も求められるようになりました。2025年1月からの大学入学共通テストの変更点を見てみましょう。

主な変更点
  1. 1.数学は文系であっても数学Cの受験が必須に。また高校の授業を意識して、観察・実験などの科学的に探究する学習活動や,データを分析して課題を解決する統計教育を反映した問題が出題されることに。
  2. 2.「情報Ⅰ」が出題科目として設定され、国立大学一般選抜の募集単位のうち多くが受験必須としています。文系でもプログラミングが外せなくなりました。
  • 上記データは2023年7月上旬時点の大学公表情報をもとに編集室で作成。

社会の変化に対応するための「地歴・公民」入試

地歴・公民入試は1科目の知識を深く細かく知っていればよい時代が終わり、より広い視野から知識を活用する力が求められるようになりました。

主な変更点
  1. 1.2025年1月から、大学入学共通テストの地理歴史・公民は2科目1セットで出題に。地理&歴史、歴史&公民といった組み合わせで受験する必要があり、どれが1科目だけの勉強では対応できなくなりました。
  2. 2.高校では主題を設定して生徒が調べた内容をまとめたり,授業中に生徒同士で意見を出し合って考察するなどの「探究活動」が増加し、共通テストの出題に反映されています。
  • 上記データは2023年7月上旬時点の大学公表情報をもとに編集室で作成。

「考える力」を見極める試験でも中高一貫校生が有利に

「考える力」を測る受験方法が大学入試で一般的になりましたが、中高一貫校生は「考える力」入試に非常に有利だと言われています。その理由を説明します。

私立大・国立大共に「総合型選抜」と「学校推薦型選抜」の募集増加

国立大学協会では多様な入学者を受け入れる方針の下、総合型選抜や学校推薦型選抜、国際バカロレア入試などの入学定員を拡大し2022年度には4割を超えました。私立大学でも半数以上が総合型選抜と学校推薦型選抜になっていることを考え合わせると、お子さまが大学入試を受けるころには、一般選抜以外の受験に対応する力をつけることがますます重要になると予想されます。

  • データ https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senbatsu/1412102_00009.htm より。

「考える力」を丁寧に見極める「総合型選抜」の実態

総合型選抜は大学が求める人物像と合致した人材を探すため、提出書類や面接、小論文など様々な試験を組み合わせ、一人ひとりを丁寧に評価する入試方式です。
例えばお茶の水女子大学文系学科志願者の場合、「プレゼミナール」で大学の授業をじかに体験し、レポートなどにより第1次選考を行います。続く第2次選考では「図書館入試」を実施。単なる知識量の多寡ではなく、その知識をいかに「応用」できるかを問うもので、昼食や休憩も交えて6時間も図書館にこもって一つのテーマについて小論文を作成します。まさに「考える力」が問われる入試と言えるでしょう。

中高一貫校での学びと経験は、「考える力」の土台に

中高一貫校での学校推薦型選抜の面接や総合型選抜の大学入試では、高校で学んだ知識を応用した問題や、高校で培った仮説形成能力を問われる問題などが出題されます。
中高一貫校では、企業とコラボしてお菓子の開発をしたり、大学や研究所と連携した研究を行うなど、大学に直結した学びの経験を数多く提供しており、新しい大学受験の形にいち早く対応しています。
また中学受験でも、大学入試制度改革を意識した学習プログラムで活躍できる生徒を発掘する、算数特化型入試や総合型入試を導入する中高一貫校が増加傾向です。
お子さまの個性や身につけさせたい力に沿った教育をする中高一貫校で学ぶ経験は、大学入試やその先の進路に向けた「考える力」を培う土壌になると言えます。

“考える力”を身につけるなら「考える力・プラス講座」

小学1年生から始められる「考える力・プラス講座」では、お子さまのご学齢にあわせた問題で中学受験の下地となる4教科を超えた思考力・表現力が身につきます。

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中学受験 はじめの一歩の踏み出し方

いざ中学受験をすると決めたら、志望校を選ぶための情報を集めたり受験対策の学習法を検討したりと、やることはたくさんありますし、最初から本格的に受験勉強をさせることにためらいをもつ保護者のかたもいらっしゃると思います。ここでは中学受験をはじめるときに考えておきたいことを紹介します。

中学受験は「家庭できちんと話し合う」ことから

一番大切なことは、中学受験をする、しないに正解はないということです。受験をするのは、なによりお子さまのため。どんなふうに育ってほしいから受験するのか、その目的を何より大切にしましょう。
目標が決まれば、他にやりたいこととの優先順位もつけられてお子さまのやる気も上がりますし、お子さまの塾の送迎や体調管理など保護者のかた同士の協力もスムーズに進みます。まずは家庭で目線をそろえることが重要です。

「タイプ別」受験勉強の始め方

お子さまに合った受験に向けての学習法は、学力レベルや目標とする志望校はもちろん、お子さまの性格やタイプによって異なります。代表的な3つのタイプから、お子さまにどんな学習法が合っているのか考えてみましょう。

素直なコツコツタイプ

保護者のかたから言われたことを素直に受け止め、コツコツと勉強を進められる長男or長女タイプです。塾でも通信教育でもまじめにこなします。学習計画をしっかりチェックして学習の進捗をこまめにチェック・管理すると安定して勉強できます。

のびのびマイペースタイプ

勉強も遊びものびのびとマイペースが基本。好き嫌いもハッキリしている次男・次女タイプです。このタイプはお子さまのペースで進められる学習法がピッタリ。得意教科は発展問題を、その他の教科は焦らず基礎+αの問題から解くなど、学習法を工夫しましょう。

ワクワク好奇心タイプ

とにかく好奇心が旺盛で、机にじっとしていることがやや苦手なタイプです。集団で行う授業より、個別に質疑応答できる学習法向きです。自分の考えを伝えることに長けている場合が多いので、会話を通してご家庭で一緒に学習に取り組むと成果が出やすいでしょう。

「私立」中学受験での保護者のかかわり方

中高一貫校は、難関大学への進学率が高い傾向にあります。難関大学の合格者数は中学受験の偏差値や入試倍率に大きな影響を及ぼします。特に最近では、難関大学の附属になった中高一貫校や難関大学への推薦枠が増加した中高一貫校の入試倍率が上昇傾向です。
また近年は海外の有名大学に進学する生徒も増えています。大学でどんな学問をどんな環境で学べるかをイメージしながら、各校の大学合格実績を見ると、中高一貫校生活へのイメージもより膨らみます。

ティーチングではなくコーチングを

私立の入試問題は解き方が独特で、保護者のかたとは解き方が違うこともよくあります。そこで勉強内容は塾などに一任し、勉強以外の部分をコーチングすることに重点を置きましょう。勉強のスケジュールを立てたり、ノートを見て進捗を確認するなど、お子さまに目をかけてフォローすることが大切です。

子供が勉強をさぼったり、時にはケンカになることも

受験勉強は長期にわたるためお子さまの負担が大きいこともあります。ときにはお子さまが塾に行きたくなくてさぼったり、保護者のかたまでイライラしてケンカになることも。長い受験勉強期間なので無理をさせすぎないことも大切です。お子さまの調子が悪いときは思い切って勉強を休ませたり、塾用のお弁当をお子さまの大好きなものだけにするなど、モチベーションが上がる工夫をしたいですね。

子供にどんな風に育ってほしいかを第一に考える

私立受験は選択肢が膨大にありますから、絶対にこうじゃなきゃダメ!と思いこまないようにしましょう。第一志望の学校以外でも素晴らしい学校はたくさん存在しますし、3年制の公立中学校で生き生きとした学校生活を送り、ハイレベルな高校に入学されるお子さまもたくさんいらっしゃいます。受験を始める前も、始めてからも、周りの人の意見に流されず、自分たちにとっての正解を見つけてほしいと思います。

「公立」中学受検での保護者のかかわり方

適性検査は各教科の問題のほとんどが文章題で、出題の順番もばらばら。そのため、どんな問題でどの教科のどんな知識を使えば解けるのかを自分で導き出すことが重要です。そんな適性検査に必要な力を育むための保護者のかたのかかわり方を紹介します。

普段の家庭での会話で国語力を高める

国語では出題の多くは、課題文に対する考えを述べる意見文です。だから自分の主張を言葉にして言えることが国語力を高める近道となります。会話の中で主張や理由まで言えるように、「どうしたいの?」「どうして?」などと問いかけて促してあげるようにしましょう。

日常生活の中のシーンで数量感覚を養う

算数は、割合、比や速さ、面積・体積などの算数で学ぶ単元が日常生活の場面を想定した文章問題として登場します。また理科や社会との融合問題としても出題されます。ご家庭では毎日の暮らしの中で使うもの、見るものを数学的に捉える癖をつけることで、リアルな数量感覚を身につけられます。「これってどのくらいの長さかな?」「これは何倍くらいかな?」とモノに数値を当てはめて想像するように促してあげると効果的です。

学んだ理科の知識を実際に体験する機会を増やす

理科は会話文や資料から読み取れる状況に対して、自分が持つ知識を活用して答える問題が多く出題されます。例えば自転車をとめた時にできる影の動きと会話の情報から自転車をとめた場所を当てるなど、具体的な状況で問われます。ご家庭では影がどんな動きをするのか観察して「夕方は影が長く、昼間は短い」という現象を実際に見ることで、知識と体験を紐づけましょう。教科書の発展問題を親子で一緒に挑戦するのもおすすめです。

身の回りの「なぜ?」を追求する習慣づけを

社会はグラフや地図、統計などの資料読解をもとにした記述形式が主。初見の資料も登場しますが、事実を正しく読み取り、「AになるのはBだから」という関係性を把握できれば解けます。ご家庭では「なぜシャンプーだけボトルにギザギザがあるの?」など、日常生活の中でさまざまな疑問を持ち、気になったことはすぐ調べることで、論理的な思考が育まれます。図書館の本やインターネットで自分で調べて、考える癖をつけることが大切です。

“考える力”を身につけるなら「考える力・プラス講座」

小学1年生から始められる「考える力・プラス講座」では、お子さまのご学齢にあわせた問題で中学受験の下地となる4教科を超えた思考力・表現力が身につきます。

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中学受験の主な学習方法

受験を成功させるためには、ほとんどの場合、小学校での勉強以外に「中学受験」専門の学習が必要になります。お子さまの性格や適性に合わせてどんな学習法を選ぶかは、合否にも大きくかかわります。

大手学習塾

中学受験専門の大手塾は豊富なデータや受験ノウハウを兼ね備えています。学力別にクラスが編成されているため、生徒どうし、切磋琢磨して学力を伸ばすことができます。また、志望校別の特別講習や模試も行われるため、高い目標をクリアするモチベーションやライバルがいる環境を好むお子さまにぴったりな環境と言えます。

個人学習塾

講師の考え方などにより、学習内容やレベル、受験できる中学などはさまざま。先生との距離が近いので、生徒一人ひとりの状況を把握して丁寧に対応してくれる場合も多くあります。地域密着型で、地元中学校への受験対策に強いという特徴があり、家から近い場所を選べて、送迎の負担が少ないメリットも。

個別指導・家庭教師

1対1もしくは1対2・3の対面指導で、先生と密にコミュニケーションをとりながら学習を進められます。自分の学力やペースに合わせて学習できますし、わからない部分があれば些細なことでもその場で質問できます。苦手分野の学習をフォローしてもらえるのも大きな強みですから、苦手に悩むお子さまに向いていると言えるでしょう。

通信教育

好きな時間に学習できるので、生活スタイルを変えることなく自宅で受験対策ができます。塾などに比べて格段に費用が安く、習い事などと両立しやすいのが大きな特長です。得意・苦手に合わせて、お子さまのペースでじっくり理解を深められますから、はじめて中学受験に挑戦するご家庭にぴったりです。

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10歳までに身につけたい4つの力

中学校に向けた、より本格的な勉強が始まる5,6年生で力を伸ばすには、10歳になる小学4年生までに、学習における基本的な能力を高める必要があります。「4つの基礎力」を少しずつ身につけることで、お子さまのこれから先の学習のスムーズな習得に役立てられます。

速く計算する力

算数は素早く計算してさまざまな問題に取り組む力が重要です。例えば夕食のお買い物に行ったときに、100gあたりの価格が表示されたお肉を2種類比べて、「どっちが安い?」とお子さまに問いかけるなど、生活の中で計算する機会を増やしてみましょう。より多くの演習を積み重ねることで、どんどん先のステージに進むことができます。

速く読む力

受験時には国語は長文を素早く読んで内容を理解することで、問題を考える時間を増やすことが大切です。そのために10歳までに、長文を速く読むことを苦にせずできるようになることがおすすめです。その一番の方法は、本を好きになってもらい、文章の面白さをお子さま自身で実感すること。まずは、お子さまが興味をもちそうな本を読み聞かせすることが効果的です。

空間を把握する力

頭の中でさまざまなイメージを自由に描けることが、「空間を把握する力」につながります。入試問題では平面図を見てそれを頭の中で立体図にして考えたり、立体を切断したときの面がどんな形になるかなどを想像することが必要です。まずは身近にある立体に実際に触れることで、イメージする力を養いましょう。ご家庭のお手伝いで豆腐を切ってみるなど、日常生活の中のさまざまな機会を生かしてください。

体験的に理解する力

見たり聞いたり、体を動かしたりする中で培った自分だけの経験を、机で学ぶ知識とリンクさせて理解を深めるのが「体験的に理解する力」です。理科で対流について学ぶとき、「冷たい水は下へ、熱いお湯は上へ運ばれる」と丸暗記するより、「お風呂を沸かしたときに上だけ熱くても、まだ下は冷たいことがあったな」と経験に結びつけて覚えたほうが、深く理解できますよね。日常生活のさまざまな物事に触れ、考える機会をもつことです。

まとめ

いかがでしたでしょうか? AIの急進展に見られるように、社会は今大変動期に入っています。大切なお子さまの進路を考えるにあたって、最初に悩むのが「中学受験」だと思いますが、過去の成功法則からでは正解が導き出せない不安定な状況に、保護者のかたもさぞかしお迷いのことと思います。
私たちは、お子さまが身につけるべき最重要な力を「考える力」と定義しました。これからの学習は学校の教科書の内容を理解することはもちろん、お子さまが自分で考え、表現する力まで身につけることが必要だからです。
保護者のかたには、中学受験の実体とお子さまの適性をしっかり把握したうえで、お子さまの最も幸福な進路選択の決断をサポートいただければと願っております。

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  • ●現在1~6年生のかたは、「いますぐ始める」「2025年4月から始める」のどちらをお選びになっても、いますぐ始められる当年度(2024年度)教材のお申し込みとなります。※ 2025年度教材のお申し込みは、2025年3月以降に始まります。
  • ●年長さんのかたは、2025年度の1年生向け教材をお申し込みいただけます。※夏号からの受講開始となります。
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  • 途中退会も可能です。受講を中止される場合は、退会連絡のしめ切り日(退会ご希望月の約1か月前)までにご連絡ください。
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  • 受講中止のご連絡をいただかない限り、6年生終了まで続けてお届けいたします。
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  • ここに記載の金額は2024年11月現在のものです。
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  • 4月号の最終しめ切り日は2024/4/28(日)です。