馬田 隆明さん
東京大学FoundX ディレクター

馬田 隆明 さん

University of Toronto 卒業
受講歴:「進研ゼミ」小学講座・中学講座

「進研ゼミ」の思い出は?

自分でやってみたいと言って「進研ゼミ」を始めたんですが、当時は塾にも通っていたので、テストでいい点を取りたい、周りとの勝負に負けたくない、という単純な気持ちで始めた覚えがあります。教材でいうと、赤いフィルムで文字を消して覚える暗記系のテキストはよく使っていました。予習というよりはくり返し学習や復習としての問題集として使っていて、特にテスト前にやっていました。

「進研ゼミ」の経験が今の仕事や人生に活かされていますか?

いくつかありますが、1つは、問題を解くという行為が記憶の定着にすごくよく、非常に有効な学習法と言われているので、問題をたくさん解けるというのはその後の成績向上に役立ったと思います。「進研ゼミ」はその解くネタをたくさん提供してくれていたのでありがたかったです。
あと、「コツコツ勉強する」「人に言われなくてもある程度自主的に勉強できる」という姿勢を養えたのは大きいです。学生当時は実感していなかったことですが、社会人になってから活きているなと感じています。この「一人で勉強する」「だれに言われなくても勉強する」というのは、実は社会人でやっている人が多くはないんです。例えば社会人になって本を読まなくなる人がたくさんいますが、私は継続的に本を読む習慣がついています。自分で勉強するくせがついたのは「進研ゼミ」をやっていた中学生時代で、社会人になってからも活きているなと感じています。

社会に出る時にどういう力が必要だと思われますか?

起業を目指す人であれば、自分の知らないことでもちゃんと自分で学ぼうとするかどうか、というところが成功するかどうかの大きな差になっていると思います。起業する場合、何か専門の知識や技術を持っているわけですが、起業の方法や流れまでは知らない人がほとんどです。だから、起業しようとなった時には、自分の知らないことを短時間で自ら学ぶことが大事になってきます。こういう未知を前にした時に、その未知のことに対しても恐れず学んでいく力や意思があるかどうかは、大きくその後の自身や企業の成長を決めていくものになると思います。

学生時代にやっておくといいことは?

「これをやっておけば絶対」みたいなものはないと思います。だから、「難しい課題がきても、がんばって勉強すれば何とかなる」といったような、勉強に対する前向きな考えを身につけたり、勉強嫌いにならないことを心がけておくのがいいと思います。何かに興味が出てきても、「自分は勉強嫌いな人間だ」と思い込んでいると、その先に進みにくいからです。そして、一緒にがんばれる仲間を作ることも大事だと思います。勉強は決して座学だけではありません。例えばキャンプが好きであれば、キャンプ仲間を作って、キャンプをより楽しむために何をすればいいかを考えたり、学び合ったりすることもできます。
社会人になると、勉強ではなく成果を求められます。そんな状況で自分に学びを促していくためには、習慣があるか、厳しく自分を律するか、もしくは「自分が勉強せざるを得ない環境を自ら整える」ことが大事になってきます。そういう意味では、学生時代に、「学ばざるをえない環境を自ら整える」練習として自主勉強会などを自ら何個か立ち上げてみるのもおすすめです。

最後に、学生のみなさんにメッセージをお願いします。

歳をとってもいろいろな人になれます。だから、文系や理系といった分け方や、学校での専攻といったわずか数年の経験で、自分の将来を決めたり、自分の進路の可能性を狭めてしまってはもったいありません。学生時代の数年の勉強は、その後数十年続く働く期間から見ると微々たるもので、後から取り返せます。それにいざとなったら学校に学び直しにいけばいいので、そういう気持ちで学生時代にはいろいろと興味のあることをやってみるといいと思います。ただ、せっかく何かやるのであれば、世界を変えるような大きな夢を持ち続けることも大事だと思います。それに、勉強ができた方がいろいろと可能性が広がるので、勉強はした方がいいとは思いますが、勉強のできるできないは頭の良し悪しの一つの側面でしかないので、勉強の成績だけで自分のことを過小評価せずに、さまざまな自分の可能性を信じて進んでほしいです。

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